11月25日(金)に、大阪梅田のハービスホールにおいて『園づくり、人づくりのためのIT経営実践フォーラム ~スマホ・タブレット時代に教育・保育環境はどう変わる?~』が開催され、100名近くの園経営者や教育関係者が集まりました。(主催:(株)サンロフト パステルIT新聞 後援:阪神電気鉄道(株))
イーランチでは、理事長の松田直子が第1講座「スマホのある時代の子育てと保護者のサポートを考える」に登壇し、全国の幼稚園・保育園で開催中の保護者対象セミナー「スマホのある子育てを考えよう」でお伝えしている乳幼児のスマホ利用実態調査結果と、セミナーの様子を報告しました。
また、原町幼稚園 園長 鶴谷主一様と、東海めぐみ幼稚園 母の会 深谷佳代様にもご登壇いただき、保育現場の生の声、子育て中の母親の気持ちをお話いただく、パネルディスカッション形式としました。
データをご紹介しながらトークが進み、鶴谷園長先生からは、以下のようなお話を伺うことができました。
・園内でアンケート調査を実施したところ、スマホよりもテレビの視聴の方が多い
・長時間利用者は、後ろめたく思うのか、アンケートを提出していないと思う
・家庭訪問をすると、(特殊な例ではあるが)タブレットを乱暴に使ったり、3時間以上使わせている家庭も実際にある
・園に通う子どもはある程度生活リズムが作れるが、未就園児の方が心配
・保護者への支援としては、講演会を土曜日のランチ会と合わせて企画するなど、多くの保護者が参加できる工夫をしている。今後は父親の参加を促すために夜間の開催なども考えていきたい
母の会の深谷さんは、母親の立場から以下のようなお話をしていただきました。
・以前は中学生がネットのトラブルに振り回されていたが、今は乳幼児から考えなくてはならないほど、子どものスマホ利用の環境が大きく変わってきているのを感じている
・フードコートで動画を見ながら食事をしている親子を見て、様々な思いがよぎった
・公共の場で子どもが騒げば親の責任を問われるし、スマホを見せておとなしくさせれば子育てに手を抜いているように思われ、とても悩ましい
・父の日に、ある子どもが描いたお父さんの顔の周りには、スマホが描かれていた。日頃の父親のスマホの使い方が想像されるが、子どもはその様子をよく見ている。改めて大人は子どもに見られても恥ずかしくない使い方をしなければと思った。
子どもたちにとっても身近な道具となったスマホと上手に付き合うために、子どもに関わる大人みんなで「我が家のルール」を考えてほしいということ。
そして、スマホの悪いところだけを見て議論するのではなく、有効性を知った上で、賢い使い方の落としどころを社会全体で考える時に来ているのではないか、というご提案で、第1講座は締めくくられました。
熱心にメモを取り、頷きながら耳を傾けて下さった多くの皆さまに改めて感謝申し上げます。